ピアサポートとは
若年性認知症当事者本人が、主体となって、ピア相談や本人ミーティング、居場所づくりと通じて、当事者同士でなければ知り得ない思いや情報を共有し、疾患の受容や生活の再構築に繋がるよう相談支援していくことを『ピササポート』と呼んでいます。
奈良県若年性認知症ピアサポート事業について
奈良県若年性認知症サポートセンターでは、若年性認知症の診断を受けた直後等に、認知症の受容や今後の見通しなどに大きな不安を抱えながらも、悩みを打ち明けることができない若年性認知症の人やその家族を、早期から心理面・生活面の支援ができるよう、同じ悩み・症状を抱えている認知症の当事者による相談や当事者交流等を行う「ピアサポート活動」を支援する体制づくりを行なっています。
そして、この事業により、若年性認知症の人の「早期からの適切な支援」や「社会参加」の促進を図っています。
今までの課題
- 若年性認知症の人やその家族は、診断直後等は認知症の受容や今後の見通しなどに大きな不安を抱えながらも、その悩みを打ち明けられない人が多い。
- 若年性認知症サポートセンターは開設されているものの、医療機関との連携・関係性があまりできておらず、若年性認知症の確定診断前後の当事者との接点がなかった。
- 相談センターがあっても、当事者には「相談がない」「困りごとがない」という心理があり、相談窓口等にいく理由がなく、来ることがない。
- 当事者交流会など、集まることのできる場で支えてくれる人材(当事者・スタッフ)が不足している。
- 相談センターは、一時的なステーションであり、継続の場でないために、地元の地域資源(居場所・協力事業所・支援団体)に繋ぐことになるが、それぞれの事業所・団体の所属意識等があり、当事者同士が出会う接点がなくなってしまったり、当事者同士の関係性が途切れてしますことがある。
課題解決のための取り組み
- 確定診断できる医療機関内で、出張相談できる体制を(奈良県立医科大学付属病院に)つくる
- 当事者交流の理解を深め、協力事業所・ボランティア・学生等の受け入れ体制をつくる
- 協力事業所・団体の縦割りの関係性を解消し、事業所・団体の交流を図る中立・中核的なステーションとしての仕組みをつくる
- 違和感の敷居を下げるために、「相談」ではなく、フラッと立ち寄れるピアスタッフの存在の場をつくる
- 動画・SNSでの情報発信等で、ピアスタッフの存在を伝え、出会いをつくる
ピアサポート事業の事業内容
相談・仲間づくり・社会活動・各地域調整の4点を重視して、以下の事業を行なっていく。
- 出張ピア相談ができる体制をつくる(県立医科大学付属病院内)
- 若年性認知症ピアサポート養成研修の実施
- 本人交流会の実施(年2回)
- 関係機関・団体等のネットワークの構築をさらに推し進め、中立的な相談しやすい機関づくりと事業所等への若年性認知症への理解うぃ深まる啓蒙活動を行なっていく
- 各地域で若年性認知症の人の居場所づくりや社会参加に繋がる協力機関を増やしていく
- 若年性認知症ん人の活動を紹介する小冊子の作成